ローソク足とは、価格情報を1本のローソクにまとめて表示したもので、多くの情報を一目で確認できるため、非常に便利なツールとされています。
日本のローソク足の歴史は古く、18世紀にまで遡ります。本間宗久は、日本の市場で米の売買を行っていました。また、日本政府の顧問も務めていました。
本間は、米の価格を毎日、始値、高値、安値、終値と記録し始めました。そのうちに、何度も繰り返されるパターンに気づき始めたのです。
1755年には『三猿金泉秘録』という本を書き、取引の心理的な側面を論じました。
彼は、トレーディングでは、市場の他の参加者の行動が重要な要素であることに気づいた最初の人物であると考えられています。トレーダーの意思決定には、感情が大きく影響します。本間はこのことに気付き、米を取引する際に利用したのです。
また、本間は「酒田罫線」を導入したことでも知られています。酒田罫線とは、地元の商人が考案したパターンを5つのルールにまとめたものです。まさにこの「酒田罫線」がベースになって、日本のローソク足が誕生しました。
スティーブ・ニソンの『Japanese Candlestick Charting Techniques』という名著によって、日本のローソク足の概念が一般に紹介されたのは、20世紀末になってからのことです。
この考え方の本質は、以下で詳しく説明するトレーダーの心理にあります。
ローソク足は、主に4つの要素で構成されています。
上の写真のように、4つの要素は、「ヒゲ(上下に伸びる)」と、始値と終値からなる「実体」という、2つのローソク足の部分を作り出します。ヒゲは、価格の動きに応じて長くも短くもなります。
このように、ローソク足は、単純な棒グラフとは異なり、より多くの情報を表示しながらも、読みやすくなっています。
トレーダーは通常、緑(強気)または赤(弱気)の色を使ってローソク足を描きますが、白(強気)や黒(弱気)を使う人もいます。
上の写真のように、強気のローソク足は終値が始値よりも高くなったときに形成され、弱気のローソク足はその逆になります。形状は、左右に長いヒゲを持つものから、ほとんど実体のないものまで、さまざまな種類があります。
上ヒゲの上端はそのセッションでの高値を示し、その逆も同様です。高値と安値の距離が長ければ長いほど、そのセッションの価格レンジは広くなります。
先に述べたように、ローソク足は、市場の状態を反映したデータをトレーダーに表示するという点で重要です。そして、そのデータをもとに、市場で中心となっているトレンドやどちらの方向性が優勢なのかを把握することができます。
上の画像を見ると、EUR/USDの日足チャートがあります。チャートの右端には、長くて緑色のローソクが並んでいます。このタイプのローソク足は、実態が長く、終値が通常ローソク足の頂点付近にあるため、非常に強気です。これは、強気派が値動きをコントロールしていることを意味し、彼らは大きな利益をもたらす一連の勝利を促進している可能性があります。
一連のハイヤーハイとハイヤーローを特徴とするきれいな上昇トレンドは、買い手の側から価格を押し上げようとする継続的な関心があるというメッセージを送っています。一方、長くて赤いローソク足は、強い売り圧力のサインです。
各ローソク足間の関係性こそが、トレーダーが将来の価格変動を予測するのに役立つパターンを生み出すのです。
ローソク足のパターンには、大きく分けて強気と弱気があり、さらにリバーサル(反転)パターン、トランジショナル(移行)パターン、コンティニュエーション(継続)パターンがあります。また、ローソク足の本数によってもパターンが異なり、1本のローソク足から2本、3本のローソク足で構成されるものまであります。
強気のパターンは、資産の価格が上昇する可能性を予測するもので、弱気のパターンは価格が下落する可能性を示します。リバーサルパターンは方向転換の可能性を示し、コンティニュエーションパターンはその名の通り、現在のトレンドの延長を示します。